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『ぽよぽよにさわりたい!』は、主人公の「アホさ」がそのまま作品の面白さにつながっているところが好きだった。
小説や漫画を読んでいると、私はあまり内省したり、自分の心情に向き合ったりしないたちだからか、地の文やモノローグで主人公が自分の気持ちをあまりにも鮮やかに言語化していると、「この主人公が、ここまで自分の心情を言葉にできるのかな。さすがに作家に寄りすぎていないか」と思うことがある。
そんななかで、『ぽよぽよにさわりたい!』は、主人公がアホだからこそ心理描写が丁寧になっていて、しかもそこに説得力がある作品だった。
ひとことで
アホだからこそ、ひとつひとつ考える。周りにはど直球でぶつかっていくヤンキーが、熊井くんのことになると急に慎重になる。そのギャップが愛おしいBL。
作品情報
- タイトル:ぽよぽよにさわりたい!
- 作者:島村(サークル:akashima)
- 形式:同人誌(BL漫画)/COMITIAで頒布された作品の電子版
- 電子版配信:ナンバーナイン(2024年12月13日〜、1〜4巻配信中)
- 1巻:54ページ/700円前後(税込・ストアにより異なる)
あらすじ紹介
クラスのヤンキー・獅子堂は、偶然触れてしまったクラスメイト・熊井くんのお腹の感触が忘れられない。もう一度あの“ぽよぽよ”にさわりたくて、獅子堂はあの手この手で奮闘する——。
感想
アホだからこそ生まれる丁寧さ
主人公は、何かを考えるときに一気に結論へ進むタイプではない。ひとつひとつ丁寧に、心の中で「あれはどういうことだろう」「自分はどうしたいんだろう」と考えていく。その思考の過程がしっかり描かれているので、結果的に心理描写がとても丁寧になっている。
普通なら、もう少し要領よく進みそうなところを、主人公はひとつずつ考えて、ひとつずつ納得しようとする。その「アホゆえの丁寧さ」が面白いし、読んでいて愛おしくなる。
熊井くんのことはちゃんと考えている
しかも、主人公は周りの人にはど直球でぶつかっていく。思ったことをそのまま言うし、遠回しな駆け引きもしない。そこが主人公の魅力でもあるのだけれど、熊井くんのことになると、意外なほどいろいろ考えている。
「そんなことまで考えるんだ」と思わされるくらい、熊井くんに対しては慎重になる。普段はあんなにまっすぐ周囲にぶつかっていくのに、熊井くんのことはちゃんと考えて、相手の気持ちや立場を想像しようとする。その違いがとてもよかった。
ちゃんと相手を見ようとしている
主人公はアホだけれど、決して何も考えていないわけではない。むしろ、アホだからこそひとつひとつ考えるし、その結果として、相手のことをちゃんと見ようとしている。
この「アホなのに、熊井くんのことはちゃんと考えている」というバランスが、『ぽよぽよにさわりたい!』の面白さだと思う。
こんな人におすすめ
- ヤンキー×ぽっちゃりの組み合わせが気になる人
- まっすぐで、ちょっとアホな主人公が好きな人
- 心理描写が丁寧なBLが読みたい人
- 「好きな人のことだけは慎重になる」ギャップに弱い人
- 同人発の、短めで読みやすいBLを探している人
まとめ
『ぽよぽよにさわりたい!』は、タイトルどおり「お腹にさわりたい」から始まる話だ。けれどその裏では、アホな主人公がひとつひとつ考えて、熊井くんのことをちゃんと見ようとする過程が、丁寧に描かれている。
内面を鮮やかに言語化しすぎる主人公には、つい「作家に寄りすぎでは」と思ってしまう私でも、この主人公の心理描写には素直に納得できた。アホだからこそ、ここまで丁寧になる。その説得力が、この作品のいちばんの魅力だと思う。
購入リンク
電子版は各巻で配信されています(下記は楽天Koboのリンク)。
作者さんのBOOTHでも電子版(EPUB/PDF)が頒布されています:▶ ぽよぽよにさわりたい!【電子版】(BOOTH/akashima)





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